自分の親が認知症になってしまった・・・
それは悲しいことであり、その事実と向き合うのはつらいことかもしれません。
しかしそれは、医療の発達によって寿命が長くなった現在の課題とも言えるでしょう。
今回は、認知症によって生じる問題点や治療法、その進行を少しでも遅らせる方法などをご紹介していきます。
目次
認知症ってどんな症状?
認知症は急に発症するものではなく、徐々に進行していきます。
初期の頃に周囲が気付いてサポートすれば、その進行を緩やかにすることが可能です。
ではその症状を見ていきましょう。
認知症初期の症状
認知症の初期症状としてまず挙げられるのが【もの忘れ】です。
同じ話を何度もくり返したり、使った道具の置き忘れやしまい忘れ、買い物に行って同じ物を何度も買ってきてしまうなど。
歳をとれば誰しも忘れっぽくなるものですが、【加齢によるもの忘れ】と【認知症のもの忘れ】には違いがあります。
【加齢によるもの忘れ】は忘れていることを自覚していて、例えば前日の夕飯の献立を思い出せない、というもの。
一方【認知症のもの忘れ】では記憶がまるごとなくなってしまうので、「夕飯を食べていない」ということになってくるのです。
また、集中力や理解力が低下してくるため、読書好きな人が本を読まなくなったり、テレビドラマを見るのを途中で辞めてしまうという行動も見られます。
自覚症状の有無は人それぞれですが、本人は「こんなはずじゃない」「自分はどうなっているのだろう」という不安や恐れを感じているものです。
そのため落ち込みやすくなったり、イライラして怒りっぽくなったりすることもあります。
認知症中期の症状
認知症が中期になると、現在いる場所や状況がわからなくなることが起きてきます。
具体的には、両親がドライブに出かけた先から「いまどこにいるのかわからない」という電話があった、という事例が挙げられます。
どの道を通って来たのかわからなくなるのではなく、車を運転してきたこと自体が記憶からなくなってしまうのです。
認知症後期の症状
認知症後期になると、言葉でのコミュニケーションが難しくなります。
孫や子どもなど、家族がわからなくなるというのはこの頃です。
生活において、全面的な介助が必要となります。
認知症の人に生じる問題
ひとり暮らしの高齢者が認知症になった場合、近くに寄り添う人がいないことで生活に問題が生じてきます。
ここでは、具体例な事例をご紹介します。
近所トラブル
認知症から起こる近隣トラブルは、ゴミに関することが多く聞かれます。
ゴミの分別ができなくなったり、ゴミ出しの日を間違えたりするようになり、近所の人から指摘を受けます。
自分が間違えたことを自覚できていないので、被害妄想が大きくなり「こんなひどいを言われた」と別の人に吹聴したりするため、近所付き合いがギクシャクすることに。
さらに認知症が進むとゴミステーションの場所がわからなくなり、ゴミを人の家の玄関前に置いたりするようになることもあります。
また不眠障害で昼夜が逆転してしまうと、夜中に近隣宅を訪れたり玄関ベルを鳴らし続けるというようなことも起こります。
行方不明
警察に届け出のあった高齢者の俳諧による行方不明者数は、2018年で1万7千人にもなります。
近所から家に帰ろうとして家の場所がわからなくなる、買い物に出かけて目的の店がわからなくなり探し続ける、というようなケースが多く見られます。
また、病院やデイケアセンターでなぜ自分がここにいるのかわからなくなり、現状を把握しようとして外に出て、歩き回っているうちに現在地がわからなくなるなど。
「俳諧」と呼ばれる行動ですが、彼らは何かを探し続けているのです。
出かけることを止めるのは難しいので、玄関にセンサーをつける、靴にGPSをつける、地域包括支援センターにあらかじめ相談しておくなどの対策をとっておくのがよいでしょう。
詐欺被害に遭う可能性がある
判断力が低下するので、詐欺に遭う可能性も高くなります。
親族名を名乗って電話をかけてくる振り込め詐欺(オレオレ詐欺)や、警察官・銀行員のふりをして「あなたの講座が犯罪に使われている」といって口座番号や暗証番号、キャッシュカードなどをだまし取る手法です。
高齢者狙いの詐欺は年々巧妙化してきているので、注意が必要です。
こまめに連絡をとったり、電話は留守番電話に設定しておくように提案しましょう。
もし被害にあってしまったら、消費者センターや警視庁振り込め詐欺ホットライン(03-5253-2424)に相談してみてください。
火の不始末
お茶を淹れようとして鍋を火にかけたりして、それを忘れてしまいます。
火事になる可能性もあるので、認知症の傾向が見られてきたらIHにするなどの対策が必要です。
認知症って治るの?認知症の治療法
認知症を完全に治す方法や治療法は見つかっていません。
現在行われている治療法は、認知症の進行をできるだけ緩やかにして、生活を向上させることを目的としています。
薬物療法では【抗認知症薬】と呼ばれる薬を投与することによって、軽度の症状をできるだけ長く保つように働きかけます。
非薬物療法では、ゲームやパズル、本の音読などを行いながら【脳のトレーニング】をすることによって認知機能の維持・回復を目指します。
また、サポートを受けながら掃除や洗濯といった日常生活を続けることも【生活のリハビリテーション】になります。
認知症の進行を防ぐためには?
認知症は、放置しておくと進行します。
気付いた時点で対策を施しましょう。
生活習慣を見直す
高齢にあるとなにかしらの生活習慣病を持っている方が多くはなります。
すでに生活習慣病にかかっているのなら、適切な治療を受けたり定期検診を受けるなどしてそれ以上進行しないように努めましょう。
栄養バランスの整った食事をして適度な運動を行い、規則正しい生活を続けることが認知症予防にもつながるのです。
ストレスのない楽しい生活ができる環境
常にストレスを抱えていると、ストレスホルモンが分泌され続けます。
これによって全身の血管が萎縮するため、脳に必要な酸素や栄養が届きにくくなって、脳内で記憶力を司る【海馬】と呼ばれる部位が萎縮してしまうのです。
ストレスの全くない生活というのは難しいものですが、ストレスを減らす、もしくはストレスを溜めないようにすることが大切です。
悩みや愚痴などの話を聞いてあげたり、音楽やアロマテラピーで気分をリラックスさせるのもいいでしょう。
また、朝日を浴びることによって【セロトニン】というしあわせホルモンが分泌されます。
規則正しい生活を送ることで、ストレスを溜めにくくなるのです。
できる範囲のことは自分でさせる
考える・判断する・行動する、ということを自分ですることが大切です。
掃除・洗濯・買い物・料理などの日常生活は、自分で考えて行動するという要素が詰まっています。
少し時間がかかっても、自分のことは自分でするようにうながしましょう。
親が認知症になったときの向き合い方
自分の親が認知症だと診断されたとき、多くの人が悲しみを感じるものです。
しかし、認知症は特別な病気ではありません。
医療が発達して寿命が長くなった現代において、そういう時期が来たのだと考えて向き合っていきましょう。
怒ったり悲観的にならないこと
認知症は特別な病気ではありません。
誰しもがなり得る可能性のある【症状】です。
あまり悲観的に考えず「そういう時期が来た」と思って淡々と受け止めるように考えましょう。
イライラする・怒りっぽくなる、というのも認知症の症状です。
真っ向から受け止めて口論するのではなく、受け流すように努めてみてください。
サービスを頼る
高齢化社会と呼ばれる現代。
高齢者向けの施設やサービスは増えてきています。
「自分を育ててくれた親だから」と気負わずに、そういったことを仕事にしているプロに頼りましょう。
成長の見える子育てとは違い、介護には先が見えません。
頑張りすぎてあなた自身が病気になってしまっては元も子もありませんから。
とにかくお話を聞いてあげる
認知症になると伝えたい言葉を探し出すのに時間がかかり、言葉でのコミュニケーションが難しくなります。
話がかみ合わなかったり、意思疎通がうまくできないのも珍しいことではありません。
心の奥に抱えている【不安】という感情を刺激しないように、「それは違う」「そうじゃない」といった否定的な言葉を使わないことが大切です。
自分の時間も大切に
【介護うつ】という言葉があるように、あなた自身が壊れてしまうことは避けなければなりません。
施設に預ける、プロのサービスを受けるということを積極的に取り入れ、親に対しても自分に対しても優しく接することのできる距離を保つことが大切です。
認知症に対して正しい知識をつける
上記でも触れましたが、認知症は誰でもなり得る症状であり、特別な病気ではありません。
「自分の親がこんなことになってしまった!」と悲観せず、認知症に対しての正しい知識を持ちましょう。
厚生労働省も、ネット上で<認知症対策>のページを設けています。
他にも、やさしくわかる認知症ガイド<公益社団法人・認知症の人と家族の会>もPDFにわかりやすくまとめられているので一読をおすすめします。
親の認知症に悩んでいるならカウンセラーに相談しよう
親の認知症問題は、ひとりで悩まずに相談しましょう。
周囲に相談できるような人がいなくても、オンラインカウンセリングならプロのカウンセラーに気軽に相談することができます。
オンラインカウンセリング・teotle(テオトル)
運営歴 | 母体である「エキサイトお悩み相談室」は、実績13年を超える |
カウンセラー在籍数 | 50名ほど |
料金 | 14日間コース 8800円(1日当たり629円) 30日間コース 13200円(1日当たり440円) |
通話料金 | テキストメッセージのみ |
HP | オンラインカウンセリング・teotle(テオトル) |
teotle(テオトル)は、テキストメッセージを使った新しいスタイルのオンラインカウンセリングシステムです。
料金システムは現在、2週間コースと1ヶ月コースの一律料金。
その期間中は、あなたが選んだ専属のカウンセラーと毎日やりとりをすることができます。
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その中から、あなたが相談したいと思うカウンセラーを選ぶことができます。
そのカウンセラーから最初のメッセージが届いたら相談開始となり、利用日がカウントされていきます。
継続してコミュニケーションできることで、あなたに寄り添った回答を受け取ることができますよ。
teotle(テオトル)おすすめのカウンセラー・森田陽子(もりたようこ)先生
料金 | 14日間コース 8800円(1日当たり629円) 30日間コース 13200円(1日当たり440円) |
カウンセラー歴 | 17年以上 |
資格 | 行政機関の「女性のための電話相談員」 メンタルケア・スペシャリスト メンタルヘルス・マネジメントⅡ種 ラインケアコース 高齢者コミュニケーター 認知症介助士 生前整理・整理収納アドバイザー マリッジアドバイザー など |
相談内容 | 恋愛・結婚 子育て・教育 職場・仕事の悩み 自己理解・自己実現 |
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介護や夫婦・母娘・嫁姑関係から仕事や恋愛まで、幅広いジャンルの悩みに対応してもらえます。
【森田陽子先生の口コミ】
評価:★★★★★4.5
丁寧な言葉でたくさんのことを伝えていただき、ありがとうございました。私の複雑な家族構成を理解していただいただけでもうれしく思いました。きっと、いままでたくさんの相談者にやさしく強い対応をしてこられたのだろうと感じました。森田先生に出会えてよかったです。また相談させていただきたいと思います。
<47歳 女性 主婦>
オンラインカウンセリング・エキサイトお悩み相談室
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人間関係、家族関係、仕事のことなど、幅広いジャンルにおいて人気の高い日高先生。
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やさしい話し方で、そっと背中を押してくれるようなアドバイスを提供してくれます。
【日高千賀子先生の口コミ】
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厳格だった父親が認知症となり、悲しみと憤りでいっぱいになった気持ちをどうにかしたくて、今回初めて利用させていただきました。日高先生はとても穏やかな雰囲気で安心して話すことができ、心が軽くなりました。現実を受け止めて、親に対して新たな気持ちで接していこうと思います。
<53歳 男性 自営業>
親の認知症は1人で抱えてはいけない
親の認知症・介護の問題は、1人で抱え込んではいけません。
あなたが頑張ってなんとかできるものではないのです。
悲観的にならずにそういう時期が来たんだと思って受け止め、認知症や介護に接しているプロの方に頼ることを考えましょう。
社会全体で高齢者を支える仕組みは広がっていますよ。
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